パソコン大変記　トラブル編③「データ復旧」

パソコン大変記　トラブル編③「データ復旧」

　結局、新しいパソコンを買うこととなった。

　トラブルを起こしたパソコンの、マイドキュメントのデータは何とか復活させたものの、USBもIEEE1394もPCカードスロットも外部メディアを認識してくれず、CD/DVDドライブも書き込み不良。

　残された最後の手段は、ネットワーク接続だった。

　幸い、インターネットにはつながっていたので、LANカードは生きていることになる。だから、後はルータに別のパソコンをつないでネットワーク設定をすれば、相互にデータのやりとりができることになるはずだった。

　それで、新規にパソコン購入に踏み切ったという訳である。

　もちろん、仕事用に職場で使っているノートパソコンを家に持ってきてネットワーク接続する、という手段もないではないが、原因不明のトラブルを起こしたパソコンをこれ以上使い続ける気もせず、これを機に買い換えることにしたのだ。しかしわずか２年で買い替えることになるとは……。

　さて、ネットワーク接続は無事にうまくいき、古いパソコンのマイドキュメントのデータはすべて新しいパソコンに移行することができた。

　残念ながらメールのデータはすべてＣドライブに保存されていたため、これは消えてしまっている。しかし、フリーのファイル復元ソフトというものがあって、一度削除したファイルでも、上書きされていなければ復元することができるのである。

　そこでこのソフトを用いて検索したところ、いくつかのファイルがひっかかってきた。大半はファイルが壊れているのか、開くことはできなかったが、一部メールデータを復活されることができた。

　だが、こういうソフトで大切なデータを復活させることができる、ということは、逆に都合の悪いデータも復元可能だということだ。

　仕事柄、個人情報を結構パソコンに入れている。仕事以外でも自分用の住所録等も入っている。古いパソコンは修理が完了したら売りに出す予定なので、これらのデータは完全に削除しておかなければ悪用される恐れがある。

　幸い、これもフリーの完全削除ソフトというのがある。消したいデータをランダムな数値で上書きしてしまうというものだ。ただこのソフト、市販のソフトと異なり、フォルダごとまとめて削除することはできず、その都度ファイルを選んで削除してやらねばならない。これが恐ろしく面倒くさい。

　結局、最初にトラブルを起こしてから三週間、週末のほぼすべての時間をパソコンのデータ復旧のためにつぶした。貴重な人生の残り時間をまた不毛なことに使ってしまったのである。

　ほんとパソコンってやつは……とつくづく思う。

　壊れたパソコンを修理に出したら、ハードディスクとCD/DVDドライブの交換で、45,000円もかかった。値段もさることながら、ハードディスク交換するんだったら、せっせとデータの削除に励んだ意味ないじゃん。トホホ。

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