はるばる来たぜ函館
他界した自分の父は、北海道は函館の生まれだった。と言っても、その後青森を経て東京に移り住んだために、函館に何が残っている訳でもなかったらしい。また、函館についての詳しい話を生前に聞いたこともない。
12年前に仕事で北海道に行った時に、函館にも半日ほど滞在した。その時のことはこちらに書いた。ただ、仕事なのであまりのんびりも出来なかった訳で、いつかはプライベートで訪れて父の故郷をじっくりと見て回りたいと思っていた。もちろん父に関して何も残っていない地ではあるが、自分のルーツを訪ねるような気分なのである。そして、今回やっと実現した。
宿泊したラビスタ函館ベイ。天然温泉の露店風呂があるので、ここにしたのだが、知る人ぞ知る人気ホテルであることを後で知る。
実際、すごくいい宿だった。 |
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訪れたのが12月25日だったので、ホテル館内はいたるところクリスマス使用となっていた。
ホテルのロビーでウェルカムドリンクとしてスパークリングワインを提供してくれていたのにはびっくりした。
粋で嬉しいサービスではないか! |
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ホテルから函館駅まで歩いて、函館朝市の一角にあるこの「どんぶり横丁市場」で昼飯を食べることにする。
ちなみにこの中ではAsaichi_Donburi_YokocyoというフリーWi-Fiが自由に使える。
函館ではホテルはじめ、このフリーWi-Fiスポットが充実していて、これが実に便利だった。
フリーWi-Fiは観光地にはこれからは必須だと思う。その点、東京はすごく遅れている。 |
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色々な店があってとにかく迷ったのだが、この「はこだて」という店にした。 函館の「はこだて」、と何のひねりもないところが逆にいい。 |
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8種類の海鮮が乗る「梅の花」。これで1,500円。安い!
海鮮類は鮮度抜群でイクラがピカピカと宝石のように輝いている。ウニも新鮮でまったく臭みがない。 ああ、函館に来てよかった! と思える瞬間。 |
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函館駅前に面白い名前ホテルがあったので、思わず撮影。
駅前だから、「HOTEL 駅前」。なんと安直な……。
どんな経営者が名付けたのやら。 |
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ゲームセンターを覗くと、いかにも北海道らしい景品が。 |
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函館駅から少し歩いたところに、土方歳三先生の終焉の地と言われる場所があり、このように碑が建てられている。
ここも今回訪れたかった場所の一つである。
羽織袴を洋服に変え刀を銃に変えるという物理的な近代化を受け入れながらも、決して精神的な忠の心だけは変えずに義に殉じた土方先生は、真のラスト・サムライだと思う。
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北海道でしか見かけない「ガラナ」ドリンク。
そんなに美味しい、という訳ではないのだけれども、何故か手にしてしまう。 |
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マンホールの蓋。函館と言えばイカ。 |
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ハリストス正教会。
北海道在住の学生時代の友人I君が、「ハリストス正教会に『山下りん』が書いたイコンがあるので是非見てほしい」とメールで教えてくれたのである。
期待に胸を膨らませて尋ねたのだ……が。 |
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なんと、「公開中止」と。
行ったのが12月25日だったからか。無念。
実は翌日26日にも再度足を運んだのだが、年末日程みたいで、もう年内の公開はないみたいだった。すまん、I君。 |
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函館山にロープウエイで上る。
実は人身事故が起きてずっとロープウエイの運行が止まっていたので気が気ではなかったのだが、なんとか旅行の日までに再開してくれた。ホッ。
これは有名な夜景の反対側なのだけれども、ここの景色もいい。しかもすいているし。 |
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こちら側はとにかく展望台の柵の前に人が5重位に折り重なっており、観られるまでがエライ大変だった。 中国人観光客が圧倒的に多く、かの国の人々は殆ど譲り合いの精神などないから全然人が入れ替わらないのだ。
娘が親切な日本人カップルに場所を譲ってもらえそうになったのだが、間隙をついて中国人観光客にカット・インされてしまった。油断も隙もないのだ。
この夜景を撮ろうと三脚を持って行っていたのだが、とても三脚を使用できるような状況ではなかった。
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函館名物の坂のライト・アップも美しい。 |
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ベイエリアではクリスマスツリーの点灯式もやっていた。
カウントダウンの後にツリーがライト・アップ。 そして花火が上がる。
絶妙のタイミングでいい画像が撮れた。 |
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夕食は「はこだてビール」に行く。 |
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サンタがぶら下がっていた。なかなか粋な演出である。
当然のことながらこのサンタは翌日には撤去されていた……、あ、じゃなくて、いらっしゃらなかった。 |
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店内ではクリスマスソングの生演奏をやっていた。
基本的に飲食店での生演奏というのはあまり好きではないのだが(自分の聴きたい曲をやるわけではないしうるさいので)、このクリスマスソングは気分が出て実に良かった。
このビアホールの詳細はこっちで。 |
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ホテルの部屋の窓から、先ほどのベイエリアのツリーが見える。なんとも得した気分。
色が次々に変わり、きれいだった。 |
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ラビスタ函館ベイホテルの売りの一つがビュッフェスタイルの朝食なのだが、中でもイクラを中心に刺身取り放題というのがスゴイ。 |
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朝からイクラたっぷりの海鮮丼となった。
その他の料理もデザート含めて充実しており、人気のホテルなのもうなずける。 |
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市内を歩いていたらこんな店があった。
右から「和洋酒食糧罐詰味噌醤油雑貨」と書いてある。
中はどう見てもブティックにしか思えないのだが。 |
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五稜郭タワー。
これも今回どうしても訪れたかった場所である。
12年前に来た時にはまだ前の低いタワーしかなく、しかも雨だったので五稜郭は全く見えなかったのだ。
しかも五稜郭の中には入れず、何とも無念だったのである。
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今回は五稜郭の中に入って、自由に歩き回ったり土塁に登ったりできるのが何とも嬉しかった。
土塁の一番上に登って、堀の向こう側を望む。
「土方先生もこの同じ場所に立って敵情視察をしたのでは?」と想像すると、身震いするほどに感激する。 |
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2010年に復元された「箱代奉行所」。
中に入ってもみたが、こちらは復元ものということもあり、あまり感興はなかった。 |
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函館タワーから五稜郭を望む。
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五稜郭タワーのすぐ近くに、函館で有名な塩ラーメンの店、「味彩」の本店がある。
せっかくだからとここで昼食を摂ることにする。 |
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スタンダードな味彩塩拉麺。750円。
さっぱりした中にもしみじみとした奥深い味わいがあり、おいしかった。 |
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旅行の楽しみの一つが、地元のスーパーを覗いてみること。
思わぬ食材に巡り合ったりするのである。 |
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おおっ! なとん生ニシンの刺身があるではないか。
地物の函館産だ。東京ではニシンの刺身はめったに見かけないが、イワシともアジともサンマとも違った独特の食感と味で、べらぼうに旨いものである。
それが普通にスーパーで買えるとは、ウラヤマシイ! |
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シシャモだって本物のシシャモである。
東京のスーパー等で売られているのは殆どが「カラフトシシャモ(カペリン)」という別の魚なのだ。
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旧函館区公会堂。
坂の上の方にあたり、2階のバルコニーからの眺めが絶景と言われているのだが、冬期なので閉められていて出られなかった。クソッ、ここもか。 |
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宿に戻って夕食前に途中で買ったサッポロクラシック富良野ビンテージを飲む。
実は東京のアンテナショップでも手に入るのであるが、やはり本場で飲むと味わい深い(気がする)。 |
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函館に来たら是非とも食べてみたいと思っていたのが活イカの刺身。
北海道は計3回訪れているのだが、運悪く3回ともこれに遭遇することがなかったのだ。
幸いホテルのすぐ近所に「海寿」という海鮮の店があり、電話で確認したら活イカもあるとのことなので、即予約をして出かけて行く。 |
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店の水槽ではイカさんが泳いでいた。
イカの泳ぐ姿は美しい。
やっと会えたね。 |
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刺身の盛り合わせ。
2人前2,000円とのことであるが、ご覧の通りボリュームがあり、鮮度も抜群で、すごく美味しい。 |
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夢にまで見た活イカの刺身。
この透明感があってコリコリの食感に憧れていたのだ。
ただ、年々イカも取れなくなってきているみたいで、結果的に価格は2,500円と高価になってしまった。
その値段だったら東京でも……と考えるとオソロシイので、東京での相場は今も調べていない。誰も教えないでくれ。 |
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これも北海道名産の北海シマエビ。
生でも食べられる、生きているヤツを茹でてもらう。
茹でるとびっくりするほど甘みが出て極めて美味だ。 今まで冷凍のものしか食べたことがなかったのだが、さっきまで生きていたヤツは格別である。 |
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ピールはもちろんサッポロクラシック。
日本酒も飲んじゃう。「北の誉鰊御殿」。
海の幸にはやっぱり日本酒だなぁ。
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スーパーで買えなかったので、ここでニシンの刺身も食べる。780円。 |
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ホテルの窓からベイエリアや赤レンガ倉庫が見える。
初日に観たクリスマスツリーは、船でどこかに運ばれていってしまった。 |
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このホテル、コーヒー豆とコーヒーミルがあり、なんと挽き立てのコーヒーが飲めるのだ。
カップも御覧のようにおしゃれなもの。
このホテルに泊まるためだけにまた函館に来たい、と思わせるぐらいのいい宿だった。 |
北海道なので当然大雪、と考えて重装備で臨んだのだけれども、凍った地面に難儀したのは初日のみ。翌日から気温が上がり、雪も氷もすっかり解けてしまい、持って行った靴用スパイクも全く出番がなかった。なんか、拍子抜け。小樽や札幌に比べ、函館の方が暖かいのか? それとも地球温暖化か?