冬の北海道

 6年ぶりに北海道を訪れてみた。前回は仕事で行ったので、純粋に観光で出かけるのは1999年年の初めての北海道旅行以来ということになる。その時は2歳だった娘は置いて行ったのだが、なんとか一度北海道の雪の街を彼女に見せてやりたいとずっと思っていたのだ。それと同時に、ニョーボからは「旭山動物園に行きたい行きたい」ということを何年もの間ずーっと言われ続けていたので、ついに2010年の年末に休みをとって決行(と言うほど大げさなもんでもないが)したという訳である。
 ただ、旭山動物園は遠い。宿泊地の札幌からバスで片道3時間かかるのだ(送迎バス付のツアーに申し込んだ)。そうなると、二泊三日の行程のうち、中日のほぼ丸一日がそれに費やされることになる。こうなると後はもういかに美味しいものを食べるか、ということが私にとってのこの旅行のメインの目的となった。あいかわらず食い意地ばっかだなぁ。

 

 あらかじめネットで探しておいた札幌市内の海鮮料理の店「はこだて」。ここは函館直送の活イカの刺身が1,950円で食べられるという。

 しかも予約すれば個室での食事となる。ありがたい。

 

 ところが……。その日は活イカがない、という。

 八角もタラの白子もない、という。

 天然ものを扱っている宿命なのだが、なんともガックリ。今回の旅の楽しみの半分は消えた……とさえ思いつめる。

 

 とは言ったものの、やはり新鮮な北の海の刺身は旨い。

 写真は「北海盛り(ぼたんえび・本まぐろ・ふぐ)」2,050円+「貝三昧(ほたて・北寄貝・つぶ貝)」1,980円+「トロサーモン」650円を一つに盛り付けたもの。

 言うまでもなくこの鮮度でこの値段はすごく安い。

 

 下の器は手製の氷鉢なので、刺身がいつまでもあたたまることなく鮮度を保てる。

 わさびも本わさびを自分でおろすのだ。

 

 やはり海の幸には日本酒だ。

 写真は北海道産の地酒三種利き酒セット。950円。

 左から「国稀 北海鬼殺し」「北の勝 鳳凰」「大雪乃蔵」。

 北海道の地酒、というのは初体験であったが、どれも皆とても辛口の酒であった。北の酒の特徴なのかな?

 

 

「浜ゆで毛蟹」1,950円。一日五杯限定のサービス品。

 サイズは小ぶりだけれども、鮮度抜群で、身が甘い。

 そしてこの蟹ミソの色を見よ! 鮮度の悪い蟹ミソは黒ずんでいて臭いが、これはそんなことなく、濃厚で甘く、酒とともに口にすると体に震えが走るほど旨い。

 

 「海鮮焼き」3,200円。

 炭火の七輪で、海の幸を焼くのだが、これが先ほど刺身で出てきたのと同じ素材。つまり生で食べられるほど新鮮な魚介なのだ。よって、さっと炙るだけでよく、これが実にうまいんだなぁ。

 

 「ししゃも」600円。

 巷間に「ししゃも」と称して出回っているのは、その9割以上が「カペリン」という別種の魚である。

 けれども、これは北海道産の本物。

 

 コンビニで「サッポロ クラシック富良野VINTAGE」を発見。即購入してホテルで飲む。

 これはその年に獲れた富良野産のホップを生のまま使用する北海道限定商品。キリンで言うと「とれたてホップ」のような商品だ。

 本州では発売されていないため、ここ北海道でやっと初めてご対面である。

 ホップの香りが鮮烈で、美味しいビールであった。缶のデザインもお洒落である。

 

 旭山動物園の、これが噂のペンギンの散歩。

 雪の降り積もった園内を、ペンギンが行進する様を間近で見られるのだが、どこかかわいくもユーモラスであり、なんとも楽しい。

 この散歩はペンギンの運動不足解消のためでもあるとか。

 

 ゴマフアザラシ。

 旭山動物園は、一時期は1日に4人しか客が来ないこともあった程の経営難に陥ったのを、動物の見せ方を工夫することで一気に人気の動物園にまで立て直したという。

 確かに園内はそんなに広くないし、そんなに珍しい動物もいる訳ではないけれども、動物を近い距離や違った角度で見られる施設は従来までの動物園にはなかった画期的な発想だ(最近は類似の施設も増えたけど)。

 

 お昼に園内で食べた旭川ならぬ旭山ラーメン。醤油600円。味噌700円。味噌チャーシューメン850円。一応麺に道産小麦を使っているという。

 どうということのないラーメンだったのだが、空腹な上に寒かったので、温かいソバがしみじみとうまかった。

 

「空腹こそ最高のソースだ」(Hunger is the best sauce.)というのは本当だと思う。

 

 札幌大通公園のイルミネーション。

 今回これを撮りたいがために三脚を東京から持参した。

 撮影機器の性能がいかに向上しようとも、花火や夜景の撮影の基本はカメラの固定である。

 

「キリンビール園」。ビール園と言えばサッポロが有名だが、キリンやアサヒも北海道に工場を持っているのでこのようにビール園を開設している。名称からしていかにも二番煎じという気がするが。

 

 にもかかわらずここに入ったのは、ホテルに近接していたから。それだけの理由。

 

「キリンビール園オリジナルビール」。このビール園のために作られた限定醸造ビールだとか。「明るい琥珀色で軽快な味わいが魅力のビール」とのことであるが、このように陶器の入れ物に入れられると、氏素性がわからなくなり、ありがたくない話である。

 

「タラバガニの刺身」1,800円。せっかく北海道に来たので、こんなものを頼んでみた。安くはないが、東京ではこの値段では食べられないと思う。

 どちらかというとエビカニ類は火を通した方が好みなのだが、ねっとりと甘い味は生ならではのものだ。

 

「塩ザンギ」650円。

 北海道の「ザンギ」はショウガ・ニンニク・醤油で味付けした鶏の唐揚げである。

 これはその塩味バージョン。

 しかし、ザンギの特徴が味付けにあるとするならば、この塩ザンギは唐揚げと何が違うんだ、という話になる。

 まあ、美味しかったから別にいいんだけどさ。

 

「ハートランド」と「プラウマイスター」。ビールは1,650円の100分飲み放題コースにした。よって、この2種のビールを徹底的に攻めた。この2種に比べると、「一番搾り」や「ラガー」は何とも頼りない味に思えてくる。

 

 コンビニで見つけた「すすきのビール」。レシートを失くしたので正確な値段は忘れたけど、確か300円以上した。逡巡するも話のタネに購入。ホテルに帰って飲んでみる。

「薄野地麦酒株式会社」というところで作っているらしい。妙に薄くて、香りも良くない。保存状態が良くなかったのか、外国の輸入ビールみたいな味だ。「マイナスイオン水仕込み」とあるが何の恩恵も感じられない。まいったな。

 

 翌最終日は早めにホテルを出て小樽へ。

 小樽と言えば寿司。前回2004年の時に入ってすっかり気に入った「竜敏」へ。

 前回同様小樽コースを頼む。

 左上から生ホッケ・生サーモン・サメガレイ・北寄貝・生タラバ・左下から生ニシン・ボタン海老・いくら・タコの白子・生うに。これにサービスでタコまんまの追加もあって、2,650円。とにかく安くてうまい!

 

 

 ところで、旭川の方はとても寒く、マイナス20度になることもあると事前のガイドブック等の調査によって知り、かなりの重装備で出かけて行ったのだが、天気が良かったせいもあるが、これが拍子抜けするほどたいしたことなく、せいぜい気温0度程度であった。札幌・小樽もさして寒くもなく、「やはり地球温暖化か?」と思ったのであるが、どっこい東北や山陰は大雪で飛行機が次々と欠航する有様であった。日本列島はいったいどうなっちゃってるんだろうか?

 

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