ウォークマン25周年
ソニーのウォークマンが発売されてから今年で25年だとか。
ステレオでしかも再生のみの携帯プレーヤー、というのは当時斬新な発想の商品であった。値段は確か35,000円だった。
「一号機から愛用していた」と、言いたいところだが、実は私はアイワ派であった(笑)。ソニーの次にこのタイプを商品化したのがアイワではなかったかと思う。「カセットボーイ」と称したこのシリーズは、音質で負けていない上に、壊れやすいソニー製品より使い勝手が良かった。
アイワが企業として行き詰まってからは、ウォークマンに乗り換えた。それ以来、さまざまなウォークマンを使ってきたわけだが、25周年を記念して(!?)家の中から「ウォークマン」という名称の携帯プレーヤーを集めてみた(ちなみにCD再生機は「ディスクマン」なので仲間に入ってません)。
《ゲスト》 アイワの「カセットボーイ」 右側@「HS−P2」 日本初のオートリバースモデル。ソニー製品よりもはやくこの機能を搭載したタイプを発売したのだ。 左側A「HS−P7」 まだガム型充電地が開発されておらず、小型化のために単四電池使用となっていた。
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カセットテープのウォークマン 左上@「WM−F501」 左下A「WM−701C」 右上B「WM−EX70」 右下C「WM−EX655」 残念ながら現在は満足に動くものはない。回転系の機械は使っていないとすぐに壊れる。カセットテープから遠ざかっていたため、久しぶりに使おうと思ったら、みんな壊れていた。 |
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DATウォークマンとDATテープ 「WMD−DT1」 最強の録音メディアであったDATテープの唯一の再生専用機。これを持っているということは、DATデッキも持っているんだよね(涙)。ポストカセットテープになるというから飛びついたのに……。 普及しそこねたメディアだけど、音質は今でもトップクラスである。 |
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MDウォークマン 左上@「MZ−R2」 右上A「MZ−E3」 左下B「MZ−E33」 右下C「MZ−E707」 MDは2号機の@から使い始めた。こんな便利なのが出てしまっては、DATもDCC(知ってる?)も普及しなかった訳だよ。 |
HDDウォークマン NW-HD1
ソニーがウォークマン25周年に合わせて発売した、同社初の携帯型ハードディスクプレーヤー。アップルの「iPod」にするかアイリバーの「H120」にするかで迷っていたのだが、これの登場で、音質・電池の持ち時間・サイズで勝るNW-HD1を購入することを決めた。
ところでインターネットの掲示板では、何故かiPodユーザーとソニーユーザーがムキになって張り合い、あることないこと中傷まがいの書き込みが飛び交っているため、かえって優劣がわかりにくくなっているのだが、NW-HD1を実際に使ってみての正直な感想を書く。
長所
@音質。同じヘッドフォンを使ってiPodと聞き比べてみたが、音質ではやはり音響メーカーであるソニーに一日の長がある。ただし付属のヘッドフォンはイマイチ。私が愛用しているのはソニーのMDR-EX51LP。密閉型(カナル型)で音に厚みがあり低音も豊か。値段も実売価格3,000円程度と安い。もっと高くていいヘッドフォンがあることは知っているが、アウトドア使用が多くて定期的にヘッドフォンを壊している身(たいていコードが断線する)にはこのクラスが適当。
A電池の持ち時間。この製品と比較した当時のiPodの第三世代が約8時間。現在の第四世代でも約12時間で、iPodユーザーの多くが毎日もしくは一日おき位に充電しているという。充電回数が増えれば当然内臓充電池の寿命も短くなる。これがiPod購入に踏み切れなかった最大のネックだ。なにしろiPodの電池交換は、持ち込み修理で\15,750もとられるのだ! NW-HD1は公称値の30時間はさすがにもたないが(ATRAC3 132 kbpsが主)、一日2時間くらい聞いていても、充電は一週間に一度で十分。
Bサイズ。やはりこの小ささは魅力。本体にネックストラップを通して、リモコンは使わずに本体操作で使用している(ただしボタン類は小さくてやや使いづらい)。このサイズと軽さだと首から下げていても気にならない。
Cギャップレス再生。iPodをはじめとするMP3は何故かギャップレス再生ができない。ライブ音源などを再生すると、トラックの変わり目に無音部分が入ってしまうのである。しかしCDから転送したATRACだとMDプレーヤー同様にギャップレス再生が可能である。これはポイントが高い。
短所
@ATRACというファイルが扱いにくい。これが最大の欠点。さすがに転送3回制限は最近になってやめたが、まだまだMP3に比べると自由度が低い。これだけ普及したMP3に対応していないというのは致命的。著作権の問題があるのは理解するが、製品として成功しなければ意味がない。
A値段が高い。
Bあまり意味のないクレードル。クレードルをつけるのならば、せめて入出力端子(アナログでもデジタルでも)くらいつけて欲しかった。ACアダプターとUSBとの接続のみに使用するのだが、だったらアイリバーのH120のように本体に直結できるようにして欲しかった。リムーバブルディスクとして使用するためにわざわざクレードルも一緒に持ち歩かなければならないというのは馬鹿げている(NW-HD1の後継機のNW-HD2では簡素なアダプターに変更されている。しかしNW-HD1にも使えるこのアダプター、別売りをしていない。あいかわらずソニーはコンチクショウだ)。
C付属のヘッドフォンは音が貧弱。
D再生機能しかない。オーディオプレーヤーとしてはそれでいいのかもしれないが、他社製品のボイスレコーダー機能やアドレス機能などがけっこううらやましかったりする。
まあその他にもいろいろとあるのだが、結局のところ、携帯型ハードディスクプレーヤーは現状ではどの製品も「帯に短したすきに長し」で、完全に満足のいく製品はないと思う。私の場合は音質と電池とサイズを重視した結果この製品の購入を決めたので、その点では満足している。
傷つき防止のため、普段はこのように100円ショップで買った
ポリ袋に入れて使用している。
袋の上から操作は可能だし、ほこりや汚れにも強い。
汚れたら新しいのに変えればいいし。
でも本当はiPodみたいなシリコンケースが欲しいところだが……
(ソニーが作る訳ないか)。