鉄人の料理を食す。

 フレンチの鉄人、坂井宏行氏の料理を食べた。

 江戸川区の区営ホテル「シーサイド江戸川」で、「ムッシュ坂井の美食会」という催し物があって、それに我が兄貴が申し込み、仕事関係のお客さんを招待したのだけれども、そこに愚弟も混ぜてくれたのである。ありがたや。もつべきものは良き兄貴だ!

 ちなみに先着申し込み80名限定だったのだけれども、あっという間に完売となったとか。恐るべし、鉄人。

 料金は一人18000円で、ウェルカムドリンクにシャンパン等がつく上に、料理の時はワインが飲み放題。ということで、あの「鉄人・坂井宏行」の料理が食べられることを考えると、決して高くないプランだと思う(自分で払ってないのに、言うなー!)。

 

 これが会場の「ホテル シーサイド江戸川」。

 葛西臨海公園の中にある区営のホテルだ。区営のために料金は安いらしい。利用したことないのでよく知らないけど。

 フルコース用の食器の数々。「外側から」「正面はデザート用」「模様がついたものは魚用」というくらいを知っておけば、周りに上流階級の人でもいない限り、もし間違えても恥はかかない……かな?

 今回も使わないまま下げられた食器が一本あった。ドンマイ。

 鉄人自らが料理の解説をしてくれる。

 「おおっ、テレビで見たのと同じだ」って、当たり前なんだが。

「キュウリのプレッセ 戻りガツオの燻製とオマールえびを添えて」

 「プレッセ」というのは「圧搾された、絞った」という意味らしい。よくわからなけれどキュウリを主役にしちゃうなんてスゴイ。さっぱりした美味しさ。

 オマールは半生であったが、もう少し火を入れてくれた方がうれしいかな。(恐れ多くも鉄人の料理に文句を!)

「フォアグラのクロケット トリュフのソース」

 上に乗っている皿のようなものが「わかった人は食通です。わからないひとはそれなりです。」とは坂井氏。

 チーズが材料だとはまではわかったけど、何の種類のチーズかまではわからなかったワタクシは「それなり」です。

 驚くなかれ会場内にはチーズの種類まで当てた人がいた。普段どういう食生活を送っているのだろう?

 中にはこのようにフォアグラが。下のトリュフソースで食べるとべらぼうにうまい。

「平目のポアレとシブレットをまとった魚のムース コキヤージュの香り」

 どの料理もそうだけれど、盛り付けが色鮮やかで美しい。さすが「料理界のドラクロワ」。

 平目の下に魚のムースが敷いてあって、一緒に食べると美味し。

 ちなに、この平目は青森県は大間のものだとか。身が厚くてかなり大きい平目だったらしいことがわかる。

「松茸と蕎麦の実入りコンソメロワイヤル」

 「茶碗蒸しの上につゆをはったもの」が洋風になった感じかな(この貧しい例え方で育ちがわかる)。

 松茸のしゃきしゃきと蕎麦の実のぷつぷつの食感が楽しい。

「和牛フィレ肉のロースト 赤ワインソースと玉ねぎのピュレ添え」

 これも盛り付けが色鮮やか。牛肉のピンク色が美しい。

 肉も美味しいけれど、付け合せの野菜がまたうまいんだな。

「鉄人のスペシャリテ 洋ナシのロースト バニラアイス添え」

 これはかの「料理の鉄人」でも作ったことがあるとか。その回の番組は確か見ているはずなのだが、さっぱり覚えていない。「私の記憶は確かではない」。

 温かい洋ナシと冷たいアイスクリームの組み合わせが絶妙。

 坂井氏はサービス精神旺盛な方で、頼まれればメニューにサインもしてくれたし、一緒に写真を撮らせてもくれたし(しかも一度は失敗して取り直しにも応じてくれた)、すっかりいい気分にさせてくれた。

 やはり一流の人というのはトータルで人を楽しませる技術を持っているのだな、と納得。

 

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