エリーゼのモノグラム製作記

 森鴎外の遺品の中に一枚のモノグラム(刺繍用の金属の型)が遺されていたことは有名な話である。これがどのようにして使うもので、鴎外にとってどのような意味があったのかを授業でわかりやすく立体的に説明するために(あくまでも「仕事用」なんだよ。断じて趣味に走っているわけではないぞ。そうなんだってば!)、レプリカを製作することにした。

 

 

 モノグラムの実物は縦190mm×横160mmで、厚みは0.2mmだと以前にテレビで紹介されていた。

 

 左はその大きさに合わせて実物の画像をプリントアウトしたもの。

 

 右は文京区の森鴎外記念館で販売されているモノグラムをデザインに使ったファイル。これも実物大のようなので、参考にした。

 

 実物は錫らしいのだが、手に入りにくいのと加工のしやすさを考えて、0.2mmのアルミ板を買ってきた。

 

 これにプリントアウトした画像をのりで張り付ける。

 

 画像に合わせてモーターツールで穴を開けていく。

 

 だが、回転するモーターツールで直線を切り出していくというのは案外難しく、開けた穴を裏側からみたらこのようにデコボコになっていることが判明。

 

 うーむ、と唸る。

 

 ということで、急遽やり方を変更。大型のカッターナイフで切り抜いていくことにした。0.2mmのアルミ板程度ならカッターで切れるのだ。

 ただ、どうしても切った後裏側が盛り上がってしまうため、後でそれを削り取る作業も必要になる。

 

 

 

 

 だいたい穴を開け終わったので、外側を金属用ハサミで切り抜く。

 

 貼り付けてあった画像の紙を剥がしてやる。

 

 その後、紙やすり等をかけて仕上げ、酸化剤などを使ってちょっと古びた感じにしてやれば完成。

 

 実物の画像をまねて赤い布の上に置いてみると、ちょっとデコボコ感はあるものの、どうしてどうしてなかなか良く出来ているように見えるではないか。

 

 

 多くの場合、生徒が鴎外の「舞姫」を読んだ後の読後感は良くない。「豊太郎お前何やっている」となる。そして鴎外のドイツ留学時代の体験が下敷きになっていることを知ると、「鴎外≒豊太郎」という錯覚まで生じてしまう。

 それではあんまりなので、このモノグラムはどのように使うものなのかを説明し、鴎外とエリーゼとの悲しい恋の顛末も紹介することにしたのである。

 詳しいことはこちら(pdfファイル)に文章したので、興味のある方はどうぞ。

 

 

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