石仮面製作記
2013年の夏に、休暇を利用して「石仮面」を製作した。まあ、言わば夏休みの自由工作というヤツである。え? 石仮面って何かって? うーん、「古代アステカの遺跡のようなもの」とでも言っておけばいいのかな。
実は秋に文化祭があって、自分の受け持ちクラスがお化け屋敷をやることになっていたので、それにも使ってもらえたらな、という思いもあった。ささやかながら担任からの応援アイテムである。
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実際にかぶれるもの、というものを目指したので、強度も考え、このようにサバイバルゲーム用のマスクというものを通販で取り寄せた。
けっこうブキミなシロモノである。 目の部分には金網が貼ってあるが、これはサバイバルゲーマーはプラスチックのBB弾というものを飛ばして撃ちあいをするため、目の負傷防止のためである。
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目の部分に紙で作った型紙をあて、目の形に金網を切っていく。 負傷防止のためだからか、えらく硬い金属で出来ており、人力では不可能だったので、このようにリューターを使用して切断した。 |
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細かい部分の仕上げは、このようにヤスリを使用する。 |
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型紙をもとに、今度は2mm厚のプラスチック版から、同じ形状のものを切り出す。
このプラスチック版は、東急ハンズで購入。 |
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そんで、こんなふうに目のところにはめ込み、接着剤で固定する。
うーん、ますますブキミになってきたぞ。 |
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造形にはこのエポキシパテを使う。 粘土のように、どんな形でも作ることができて、硬化までの時間も短く、なおかつ完全に硬化すると非常に丈夫なのだ。
値段はやや高めなのだが、完成後にお化け屋敷で使う、ということも考えて、強度優先で考えた。 |
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まずはこのように目のところを埋めていく。 |
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全体のバランスを整えながら、だんだんと全体をパテで覆っていく。
なんだか、死者の頭蓋骨から生前の顔を再現させる作業ををしているような気分になってくる。 |
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鼻や唇を造形し、牙もつけてやる。だんだんと石仮面の顔らしくなってくる。 |
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表面のでこぼこは、硬化後に布ヤスリで磨いて修復していく。 |
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表面のひび割れを、リューターを使って再現する。 |
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スプレーを吹き付けて塗装する。
表面が石のように仕上がる、「ストーン・スプレー」という便利なものを売っていたので、それを使ってみた。 |
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より本物の石らしくなるよう、かつ遺跡からの出土品っぽく見せるために、砂をかけて汚してやる。 |
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仮面の裏側にはこのように「古代文字(もどき)」を入れた。
かぶってしまうと見えなくなる部分ではあるのだが、これがあると、いかにも本物っぽい(?)。 |
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完成。
装着ベルトをつけるための突起を残しておいたので、ここにベルトを着けると、頭に固定することができる。この辺はリアリティに犠牲になってもらう。 |
こうして夏に完成した石仮面を、生徒は感心してくれたし、実際に文化祭のお化け屋敷でも使用してくれた……が。
造形のためにけっこうエポキシパテで肉盛りしたため、かなり重量が増してしまい、本当に「石」のような重さになってしまったのである。
よって、使用してくれた生徒諸君からは、「先生、石仮面、重いです……」と不評であった。嗚呼。