土手の最後のバーベQ
さて、そんなこんなでもう10年近くも続けてきた土手のバーベQであるが、それが今年を限りにできなくなるかもしれないことになってしまった。
そら豆はさやごと焼く。そうすると、中が蒸し焼き状になるのだ。 外側がいくら焦げても中は大丈夫。 |
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……おっと、若干焦げたのもあったか。 |
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ビールはステンレスのカップに注ぐ。 やはりビールは缶そのままより、別容器に注いだ方がおいしい。 土手の上は風が強いので、紙コップ等は向かない。空の状態だと飛んで行ってしまうからだ。
この日は特に強風で、空いた缶が何度もすっ飛んで行った。
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ホタテは醤油をつけながら焼く。 刷毛を持つ手はM氏。柔道家なので、ごつい手である。 |
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アスパラとキノコを焼く。 キノコはエリンギとホンシメジだ。 かつては人工栽培が不可能と言われていたホンシメジだが、最近になってそれが可能になり、値段もずいぶん下がったのである。 スーパー等でよく見るブナシメジと違って、サイズが大きく旨味が強い。 |
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ブリとカンパチのカマ。 魚介の食材調達はM氏の担当だったのだが、この他に海老やイカ等も登場し、何やらバーべQというよりは炉端焼きの趣であった。
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玉ねぎと鶏手羽。 鶏手羽は霧島鶏。安い手羽先も炭火で焼くと、表面の皮がパリッとなって、しかも中はふんわりで実に美味。 |
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いよいよ真打ち。黒毛和牛だ。 肩ロースと細長いのはハラミ。たまたま近所のスーパーで売っていたのだが、和牛のハラミというのはめずらしいのではないかと思う。 |
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厚切りの豚バラ肉骨も焼く。 脂の多い豚バラは炭火でじっくりこんがりと焼くと、表面がカリッとして脂も抜けるので、まさにバーべQ向きの食材だ。 |
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シメは焼きおにぎり。これまた表面がこんがりと焼けてとてもおいしい。 その後、コーヒーを入れ(疑似キャンプにこだわるM氏はわざわざパーコレーターに携帯ガスコンロを持ち込んでコーヒーを入れるのだ)、串にさしたマシュマロも焼く。 焼いたマシュマロをコーヒーに入れるとこれまたうまいんだな。 |
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食べきれなかった和牛のイチボ肉の塊はローストビーフにしてお土産にする。 まずは直火で表面を焼く。 |
その後、このようにアルミホイルで包んでじっくりと蒸し焼きにする。 |
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焼き時間は適当にカンでやったのだが、けっこううまくいった。 見よ、この美しい断面を! |
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これがその土手の上。右側に行くと荒川がある。 流しやトイレもあり、ここでバーべQをする人は多く、区民の憩いの場となっていた……のだが。 |
バーべQをやっている時に、なにやら警備員のような制服を着た人が巡回してはバーべQをやっている人たちに何かを言っているのが見えた。我々のところにもやってきたその警備員モドキの人は、紙を手渡してこう説明した。近くの公園に有料のバーベQ場が出来たので、今後はそこを利用してほしい。ここは原則として火器の使用は禁止になる、と。
その有料施設は一区画2,000円だという。公営の施設だというのに高いなぁ! そこを利用させるためにこの土手をバーべQ禁止にしたとしか思えないような措置である。
我々を含め、大半の人が後始末やゴミの処理などのマナーを守って使用していたというのに……。
だが、たぶん雇われの身であろうその警備員モドキの人に文句を言っても仕方がない。
だから、我々はたぶん最後になるであろうここでのバーべQの残り時間を楽しみ、名残を惜しむこととした。
誰かが、M氏に向かって「あなたがノンアルコールビールで我慢すれば、どこへだって行けるんだよ」と言った。「うん、そうだ!」と俺も調子に乗って同意する。
だが、もちろんM氏は決して首を縦に振らなかった。当たり前か。